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by mikey2010
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(2006/03/08発行) 【オンテック・サカイ創建事件】

C┃O┃N┃T┃E┃N┃T┃S┃
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■ 今週の事件【オンテック・サカイ創建事件】
▽ <争点>
「業務推進手当」が月45時間分の残業手当に該当するか

1.事件の概要は?
2.前提事実および事件の経過は?
3.社員Xの言い分は?
4.判決は?



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■ 今週の事件

【オンテック(以下、O社)・サカイ創建(以下、S社)事件・名古屋地裁判決】
(平成17年8月5日)

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 1.  事件の概要は?
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XはS社において正社員として勤務していたが、その後、O社へ転籍となった。本
件は、S社およびO社において、法定時間外労働を行っていたXがS社らに対して、
それぞれ法定時間外労働に対する割増賃金の未払いがあるとして、その支払いおよ
び付加金等の支払いを求めたもの。

これに対して、S社およびO社は月額7万4000円(平成13年11月までは8万4000
円)の「業務推進手当」の中に月45時間までの残業手当が含まれているとして、法
定時間外労働に対する割増賃金の未払いの存在を否定した。



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 2.  前提事実および事件の経過は?
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<S社、O社およびXについて>

★ S社は土木建築請負業等を業とする会社である。また、O社は土地建物の管理
運営、保守、営繕および付属設備補修等を業とする、S社のグループ会社である。

★ Xは平成11年11月、S社との間で労働契約を締結し、正社員として勤務して
いたが、13年3月、O社へ転籍となった。


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<Xの法定時間外労働等について>

▼ Xは12年12月から13年3月までの間、S社において、合計219.25時間の法定
時間外労働を行い、また、13年3月から16年3月までの間、O社において、合計
1276.34時間の法定時間外労働を行った。

▼ 15年7月、Xが労働基準監督署(以下「労基署」という)に対し、O社に残業
手当不払いの労働基準法違反があると申告したところ、労基署はO社に対し、時間
外労働に対する割増賃金を支払っていないこと、および「業務推進手当」を割増賃
金の基礎となる賃金に含めていないことについて、労働基準法違反であるとして、
是正勧告を行ったが、O社はその是正勧告に従わなかった。


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<S社の賃金規程等について>

★ 平成5年3月に労基署に届け出られたS社の賃金規程においては、「基準外賃金
には、職責手当(営業手当・現場手当・業務推進手当)のほかに割増賃金がある」
旨が定められ、また「(Xが該当する)営業・工事以外の業務に携わる従業員には、
その職務と遂行能力に基づいて業務推進手当を支給する」と規定されていた。

★ XとS社との間の雇用契約書およびXとO社との間の雇用契約書には、いずれも
「業務推進手当」と残業手当の関係についての記載はなく、S社およびO社からX
に対する口頭での説明もなかった。

★ 12年11月に労基署に届け出られたS社の賃金規程では、「業務推進手当を含む
職責手当は基準内賃金である」と明記されていた。



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 3.  社員Xの言い分は?
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1)「業務推進手当」に月45時間分の残業手当は含まれていない!

▼ S社らは「業務推進手当」の中に月45時間までの残業手当が含まれていると主
張しているが、XがS社に入社する際に業務推進手当に関する説明を受けた事実は
一切なかった。これはXがO社に転籍により入社した際にも同様であった。

▼ S社らが主張する賃金規程によっても、「業務推進手当」が実質的に割増賃金と
しての性格を有するとは認められないし、そもそも割増賃金部分とそれ以外の部分
とが明確に峻別できるとは到底言えない。


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2)O社らによる労働基準法違反は悪質で付加金を支払うべきだ!

▼ O社は、同社がS社の賃金体系を準用しているとして、O社とXとの関係をS社
との関係と同様に法的処理がされるよう目論んでいるように思われる。しかし、あ
くまでもS社とO社は法人格上別であり、いくらO社が賃金体系の準用を主張しよ
うとも何ら法的な効力は認められない。

▼ O社は、労基署からの調査にも誠実に対応することなく、提出を命じられた賃金
の根拠資料等の提出を拒否するなど、行政による監督指導にさえ従おうとしなかっ
た。そして、是正勧告書が交付された後でさえ、O社は是正勧告を無視し続けた。

▼ O社らは労働基準法違反であることを認識しながら、それを無視してXへの割増
賃金の支払いを拒絶してきたことが明白である。したがって、O社らに付加金の支
払いを命じて制裁すべき悪質性は十分に認められる。



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 4.  判決は?
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▼ 「業務推進手当」が月45時間分の残業代に該当するものであることが、XとS
社およびO社との間の各雇用契約の内容となったものとは認められず、「業務推進
手当」は職責手当の一つとして職務と遂行能力に基づいて支給されるものと認める
のが相当であり、その支払いをもって時間外労働に対する割増賃金の一部支払いで
あると認めることはできない。

▼ 15年11月の本件提訴の2年以上前に支払い期限の到来した13年10月分以前の
割増賃金債権については、労働基準法第115条* により、支払い期限からの2年の
経過とS社およびO社の時効の援用(注:自己の利益のためにある事実を提示し主
張すること)により消滅したものと言わざるを得ない。

* 労働基準法 第115条(時効)
「この法律の規定による賃金(退職手当を除く。)、災害補償その他の請求権は2
年間、この法律の規定による退職手当の請求権は5年間行わない場合においては、
時効によって消滅する」

1)XのS社に対する請求を棄却する。
2)O社はXに対し、(未払い割増賃金として)186万4534円およびこれに対する
  遅延損害金を支払え。
3)O社はXに対し、(未払い割増賃金と同額の付加金として)186万4534円
  およびこれに対する遅延損害金を支払え。
4)XのO社に対するその余の請求を棄却する。
5)訴訟費用は、Xに生じた費用の5分の2、S社に生じた費用の全部およびO社
  に生じた費用の10分の3をXの負担とし、Xに生じたその余の費用およびO社
  に生じたその余の費用をO社の負担とする。


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by mikey2010 | 2006-03-16 09:00 | *_*法律・訴訟・トラブル