17.時間の自由度が高い個人投資家と、待てなかった!? 村上ファンド
2006年 10月 11日
仕事で経済関連の資料を読んでいて、面白い文章を見つけました。
――銀行や保険会社、投資顧問会社などの機関投資家よりも、
個人投資家の方が株式投資には有利な立場にある――
はて? そんなバカな!
記事の内容をかいつまんで説明すると、
機関投資家は決算期ごとの運用成績が問われるため、
自分の意思に反してでも売買しながら
決められた時間内で利益を追求しなければならない。
ところが、個人投資家は買いについても売りについても、
自分がチャンスと思えるときが来るまで待つことができる。
つまり自由度が高い――というのです。
これを読んで思い出したのが、村上ファンドのこと。
ひとことで言えば、村上ファンドは「待てなかった」のでしょう。
村上ファンドが投資した銘柄が、
彼らの言うように本来はもっと株価が高いはずのものならば、
じっと待っていて狙いどおりに株価が上がったところで売ればいい。
それは1年後かもしれないし、はたまた10年後かもしれません。
ところが彼らは、それを半年や1年で実現させようとした。
彼らに資金の運用を委託した投資家たちも、それを期待した。
時間を短縮するために、本来は自然に動くはずの株価を
いわば人工的に動かそうとしたのではないでしょうか。
株式投資もわたしたちの人生も
何かを成し遂げようとするとき、
ゴールまでの時間をいつに設定するかによって
結果が大きく変わってしまうという教訓だったように思います。
by mikey2010
| 2006-10-11 03:11