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by mikey2010
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(2006/03/01発行)【日本アグファ・ゲバルト事件】

C┃O┃N┃T┃E┃N┃T┃S┃
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■ 今週の事件【日本アグファ・ゲバルト事件】
▽ <争点>
人員削減を理由としてなされた解雇(整理解雇)の効力

1.事件の概要は?
2.前提事実および事件の経過は?
3.社員Xの言い分は?
4.判決は?



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■ 今週の事件

【日本アグファ・ゲバルト(以下、N社)事件・東京地裁判決】
(平成17年10月28日)

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 1.  事件の概要は?
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本件は、N社の経理部財務課係長であったXが同社に対し、人員削減を理由にされ
た解雇は権利濫用にあたるとして、その効力を争い、労働契約上の権利の確認およ
び賃金等の支払いを求めたもの。



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 2.  前提事実および事件の経過は?
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<N社およびXについて>

★ N社は、写真感光材料等の輸出入および販売等を目的とする会社であり、ベルギ
ーに本社を置くアグファ・ゲバルト・グループに属する100%出資の子会社である。
平成16年12月当時、同社の従業員数は合計117名であった。

★ Xは昭和53年3月、N社に入社し、物流部等を経て、平成11年6月から経理部
財務課係長として債権回収に係るデータ作成、請求書処理事務等に従事していた。


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<本件解雇について>

▼ N社は16年7月、Xに対し、同年8月末日をもって退職するよう勧奨するとと
もに、口頭で特別加算金を含む退職金額を提示した。

▼ その後もXとN社との間において、退職条件に係る交渉が続けられたが、結局、
Xが退職に応じなかったことから、N社は16年9月16日、Xに対し、同年10月
16日付で解雇する旨の意思表示をした(以下「本件解雇」という)。

★ N社の就業規則47条4号は「会社の経営または業務上やむを得ない理由がある
とき」を解雇の事由として定めている。


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<N社の経営状況等について>

★ N社は、デジタル化によるアナログフィルム市場の縮小や経済不況により8年度
には約191億円に達していた売上高が15年度には約106億円に減少し、16年度も
ベルギー本社の方針に基づく事業の譲渡により、さらなる減少が見込まれていた。

★ 15年8月頃、N社はベルギー本社から同社の清算を含む中長期的計画の提出を
迫られ、譲渡や打ち切りによる事業の大幅な縮小を余儀なくされていた。

★ N社は17年2月に経理部のA課長が定年退職した後、物流部から人員の補充を
行った。



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 3.  社員Xの言い分は?
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1)N社には人員削減の必要性はなく、本件解雇を回避する努力も尽くしていない!

▼ 本件解雇は、資本金約5億円の大企業であるN社が僅かな経費を削減するため、
17年12月の定年退職まで1年2ヵ月余りのXに対して行ったもので、就業規則の
解雇事由に該当せず、社会的相当性を欠き、権利の濫用として無効である。

▼ N社において財務会計上赤字を計上していても、ただちに人員削減の必要性が生
じるわけではなく、本件解雇は高齢の正社員を削減し、その業務を契約社員あるい
は派遣社員に代替させようとするものである。

▼ 仮に管理部門に余剰人員が生じていたとしても、N社は金銭的な譲歩をするのみ
で、希望退職者を募集することも物流部へ再配置すること等も検討しなかったから、
本件解雇を回避する努力を尽くしたとは言えない。


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2)本件解雇の人選に合理性はなく、手続も相当性を欠いていた!

▼ 解雇対象者を人選する場合、解雇に伴う労働者およびその家族への影響を出来る
だけ少なくするため、扶養家族・勤続年数・貢献度・転職の容易性等を考慮した適
正な基準を設定し、これを公平に適用する必要があるが、N社は本件解雇に当たり、
何らの基準も設定しておらず、その人選に合理性はない。

▼ N社は16年7月以降、Xに退職を勧奨するのみで人身削減の必要性やその規
模・程度、解雇回避措置の内容、解雇の基準・理由について、何ら明らかにしなか
ったから、本件解雇について誠実な協議が行われたとは言えない。



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 4.  判決は?
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▼ 整理解雇が合理的で社会通念上も相当と言えるか否かは人員削減の必要性、解雇
を回避するための努力、解雇対象者の選定の合理性、解雇手続の相当性等の諸点を
総合考慮して判断するのが相当である。

▼ N社の経営が逼迫していたとまで認めることはできず、またA課長の退職後、人
員を補充していることに照らすと、本件解雇当時、経理部の従業員を真に一名削減
する必要性があったのか疑問があると言わざるを得ない。

▼ 希望退職者の募集も実施されていない上、時間外労働時間の規制・調整や経理部
従業員の業務分担の見直しを行った形跡もうかがわれないこと等の事情に照らすと、
N社が本件解雇を回避するための努力を行ったと解するのは困難である。

▼ N社の「最も効率的かつ合理的」という人選の基準は曖昧であり、契約社員や派
遣社員については全く解雇の対象とすることなく、正社員であるXをあえて解雇の
対象としたことは、その年齢を考慮しても不合理と言わざるを得ない。

▼ N社がXの早期退職の了解を得るため、特別退職加算金の支給等を提示するなど、
相応の努力をしていることを考慮したとしても、本件解雇を社会通念上相当と言う
ことはできないから、解雇権の濫用として無効である。

1)XがN社に対し、労働契約上の権利を有する地位にあることを確認する。
2)N社はXに対し、(本件解雇によって就労を拒否した期間である16年11月から
  17年12月までの月例給与として)金46万1590円およびこれに対する遅延損害金を
  支払え。
3)N社はXに対し、(月例給残額および定期賞与額等として)金162万3195円
  およびこれに対する遅延損害金を支払え。
4)Xのその余の請求を棄却する。
5)訴訟費用はこれを5分し、その一をXの負担とし、その余はN社の負担とする。


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by mikey2010 | 2006-03-16 09:03 | *_*法律・訴訟・トラブル